プロ研修講師の教える技術
寺沢俊哉 著
敬意をもって対応する
先生づらするのではなく、めだかの学校のように一緒に泳ぐ、ともに考えるというスタンスで教えていかなければならない。
協力して問題を解決していこうという態度でなければならない。
相手に敬意を払いつつ、相手の経験、能力、価値観に合わせて説明する
「熱意」と「興味」を両輪にする
関わる相手にやる気の無さというウィルスを蔓延させる元凶になってしまう。
自分だったらそのテーマのどこに興味を持つのか、それを探し出すことから始める。
自分の火種として、少しずつ温めてきたものはいつでも続く。
教えるということは相手の人生の時間を奪っているとても罪深い行為。
主旨をはっきりさせる
相手の話を聴きながら、必要な項目を取材する。
教える相手のアクターを明確にする
教える相手に、どうなってもらいたいのか?を把握する
アフター:相手のビフォー、アフターを考え、アフターの姿を教える側と相手とで握り熱意を持って伝える。
メンタルコーチが使う魔法の質問:何の制約もなかったら、どうなりたい?と質問する。
相手の現状・ビフォーを把握する
教える相手の、今の状態はどうか?
ビフォー:人数、属性、状況と距離感、やる気レベル、知識レベルを把握する。
タイプ分けはきらわれる。
大人はそれまでの経験から各自が違う独自能力や魅力を持っている。
それを見つけようとする気持ちが大切。
内容を絞り込んで伝える
大切な20%に集中する。
親切心からつい話し過ぎてしまうのは要注意。
自分自身の達成感、自己満足からきている。
全体像を示す 教える広さと教える深さ。
全体像が分かると、どこを学習しているのかが分かる。
広さだけでなく、教える深さも明らかにして、目的や相手の知識レベルに合わせて教える深さを決めることが大切。
ツールを充実させる
事前案内は招待状と思え。
事務文書でなく、手紙を書くという気持ちで書く。事前課題を示し知識を確認する。
学習スケジュールを書いてもらう。
自己診断は、偉い先生から一方的に教わるのではなく、自分自身で発見した方が興味も生まれ、記憶にも残り、実行にもつながりやすい。
テキストは贈り物と考えよ。
教えるあなた自身の個性を出す。
テキストは、事前、当日、事後をつなぐ命綱だと心得る。
書き込めるものにして、参加をうながす。
自主トレを促し応援し続ける。
共感に意外性と納得感を乗せる
知的好奇心をくすぐる。
共感に意外性を乗せる。
納得感で着地させる。
教える場合は、その種明かしまでして1セット完了だということを知る。
権威、可能性、希少性を取り入れる
権威を高める4つの方法
①体験者の声や事例を盛り込む。
②開発秘話を話す。
③実績数値を示す。
④お墨付きをもらう。
可能性を感じてもらう。
教える場では私にもできそうだという出来る感を持ってもらうことが重要。
必ず手を動かして自分でやってみて答えを合わせる。
間違っていたらなぜ間違っていたかをじっくりと考えてもらって、その後、類似の問題を解いて正解を体験してもらう。
希少性を訴える。
お互いが約束する
約束を守り続けるための5つの工夫
①すぐ実践してもらい結果を報告してもらう。
②ツールを使って見える化する。
やるべき行動がハッキリしていてそれが自分だけでなく他の人にもみえるもので、やった行動の結果が時間をおかず共有されるようにする。
③教える側に回ってもらう。
学んだらすぐ教えてみる
④きっかけのバーを低くする。
⑤コマ切れ時間を活用する。
ちょうどいいところで区切りをつけず続き物のドラマのように次への期待を深める。
わかりやすさを追求する
しっかり伝えるための7つのポイント
①カタカナに逃げない。
とってつけた知識をひけらかすと大抵嫌われる。
②具体的に表現する。
③たとえを使ってイメージさせる。
自分の経験と重ね合わせるのりしろを大きくする。
④一事一事の原則
子供たちに指示を与えるときの基本原則。
同時に2つも3つも指示を与えてはいけない。
⑤図解する。
⑥結論から話す、あるいは問題提起から始める。
⑦セーフティネットを用意する。
基本的なことは聞きにくいから、あとで自分で調べられように検索手段を用意する。
さらにインパクトを追究する
心を動かすための8つのポイント
①五感に訴える。
②倒置法を使ってみる。
最初の一言で相手の気持ちをひきつける。
③相手の目を見て語る。
本番の回数ではなく、準備の回数
④リハーサルには三倍の時間をかける。
⑤実は鼻の頭で大丈夫。
⑥おへそを相手に向ける。
⑦大勢の前でも、ただ1人の人に語りかけるつもりで話す。
⑧動く
話す場所を移動して場を活性化させる、と同時に自身の緊張感をほぐす。
質問で相手を導く
質問には前提を入れる。
適切な前提をブレンドしながら質問することで議論の流れをコントロールしつつ、相手の口から答えを引き出す。
質問で話の流れをつくる
相手を参加者にするために、主張を自分が言うのではなく、相手の口から言ってもらう。
想定外の答えに対応する。
相手の発言を正面から否定せず感謝で受け取る。
より広い視点でとらえ直して話を続ける。
他の人の応援を頼む。
質問で確認を取る
振り返りの質を上げる3つの質問
①内容に関する振返り質問(過去~現在)
②内容に関する振返り質問(未来)
③プロセスに関する振返り質問(今日の時間の過ごし方)
参加者同士のフィードバック
フィードバックする側は、相手のことを思って本音で誠実に行う。
フィードバックを受け取る側は、しっかりとそれを受け止める。
ただし、それを活かすかどうかは最終的に自分の責任で決める。
質問で視野を広げる
定石を活用した7つの質問
①SWOT分析
②重要度、緊急度
③できている、できていない
④メリット、デメリット
⑤促進要因、抵抗要因
⑥モア、レス
⑦5つの競争要因
自分が一番気付く人になろう
成功者の共通点
自分がこの機会に新しいことに気付こう、というスタンスでいることが大切。
お互いが発見し合う空間
教える側も、教わる側も、お互いを尊敬して最高の関わり合いを持った時に、予定調和ではない学習の場、お互いが発見し合う空間が生まれる。

