アメリカの経済指標

ウォールストリート・ジャーナル式 経済指標 読み方のルール

サイモン・コンスタブル 著
ロバート・E・ライト 著

 

経済指標とは

経済の動きは見えにくく、先行きを判断するのは簡単ではないが手がかりは様々な数値に現れる。

経済指標は、そうした手がかりを読み取る為のツールである。

 

3つの経済指標

先行指標
将来どこへ向かうのかを教えてくれる。

一致指標
現在の様子を教えてくれる。

遅行指標
過去の状態を教えてくれる。

自動車販売台数
(自動車を知れば経済が見えてくる)

自動車を買うときにはふつうローンを組むことになる。

ローンを組むという事は、この先しばらく返済を続けられる自信があるという事を意味する。

つまり、雇用が安定している証拠である。

消費者信頼感指数
(人々の期限が良ければ消費は増える)

アメリカの投資家やアナリストは、消費者心理を真剣に見守っている。

消費者の心理を知る為に、消費者心理を調査する2つの機関の調査結果を確認する。

消費者信頼感度指数
コンファレンスボード(全米産業審議委員会)調査

ミシンガン大消費者信頼感指数
ミシガン大学調査

消費者信頼指数が高ければ、経済が順調であると感じている。

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不完全雇用
(失業率よりも強力な雇用指数)

フルタイムの求人が足りていないために、パートタイムで働いている状態を示す言葉。

企業がリストラを行うとき、一般にその前段階として短時間しか働かない労働者の増加がみられる。

企業もいきなりクビを切る事をしたくないからである。

※米国の労働省労働統計局にて提示されている。

銅価格
(銅の価格は景気のバロメータ)

銅はその固有の性質の為に、産業全体を支える存在となっている。

住宅や公共インフラ、製造業などの業績を銅の価格は顕著に反映する。

銅の供給は比較的安定しており、物価の変動からもそれほど影響を受けない。

その為、需要の増加を素直に反映して価格が上がる。

※銅が高い目安 ⇒ 1ポンド当たり3ドル

単位労働コスト
(人のコストから経済を読む)

企業が一定量のものをつくるのに必要な労働コストを指す。

ある製品をつくるのに人件費がいくらかかったかという事。

つまり労働コストとは業務効率と生産性を計る物差し。

※米国の単位労働コスト(労働省労働統計局)

※企業が生み出した実質付加価値を労働コストで割ったもの

石油在庫
(石油が減っていれば経済は順調)

石油は私たちの暮らしに欠かせないものである事から、石油市場は米国経済の動揺かつ鋭敏なバロメータである。

米国エネルギー情報局が出しているデータは、エネルギー業界の最新情報を知るツールであり、その中でも特に毎週水曜日に発表される「石油在庫統計」は有効である。

※世界中に現在利用可能な原油やガソリン、燃料などの在庫がどれだけあるかという指標
※原油が高くなるとエネルギーを使わなくなる為、需要が減っていく傾向

出生率
(ベットルームから見えてくる消費トレンド)

世代によって人口が大きく違うという事は、すなわち経済のどのエリアにお金を使うかという傾向が、時代によって変わってくることを意味する。

世代としての消費パターンという考え方を身に付ければ、この先の消費傾向がどこへ行くのかを予測する事が可能になる。

金価格
(人々の不安を映し出す鏡)

市場のムードを知る為にすぐれた指標であり、金価格は経済、金融、国際政治における あらゆる不安を映し出すバロメータである。

ウェイトレス美人指数

この指標は2009年、金融危機のさなかに生まれた指標。

経済が勢いづいている時には「美しい人々」は給料のいい仕事で稼げており、近所のぱっとしない店で働く必要はない。

しかし経企が悪化すると美味しい仕事はなかなか見つからない。

そこで仕方なく、そのあたりの安い飲食店で働く事になる。

自分だけの指標を見つけていく事が重要である。