組織を伸ばす人、潰す人
柴田励司 著
真の「リーダーシップ」を発揮する人
リーダーは「人にやらせることがうまい人」でならなければならない。
周囲の成長スイッチをONにする。
「志」を覚醒させ共有させる人
なぜこの組織にいるのか?を社員に問いかけよう。
どうしていきたいと思っているかをという問いかけを繰り返すこと。
「I care you」と言える人
人は誰かをcareしたいし、careされたいもの。
自分のリーダーにcareされていると感ずると「成長スイッチ」が入るもの。
「退く」時期を常に意識する人
会社・組織の王国化は滅亡の道。
長くやりすぎることの弊害。
あえてひく。
「忙しさ」をマネジメントする
忙しさを制するものが笑う。
忙しい原因=仕事が多い。
忙しいが伝染するリーダーであってはならない。
凹まない
めげてもへこまない。
明らかに落ち込んでいるリーダーの取り扱いは難しい。
自分自身を客観視する。
めげている時間が惜しい。
そこまでやるかを徹底する
完全主義ではなく全力主義。
「そこまでやるか」は自分への問いかけ。
後悔しないため。
「腑に落ちない」要求にタフになる
決して自分の信念だけは忘れない。
「腑に落ちない要求」の背景を知る。
政治的対応。
自分の客観視。
「人間」というものを深く知る
自分観察を欠かさない。
「全体を見る力」「他の人達の力を最大化する力」
メタ認知の場を人為的につくる。
「何故彼ら・彼女らは自分と同じ船に乗ってくれないのか?」
選択を「可視化」する習慣を身につける
人事で悩んでこそ真のリーダーになれる。
周囲が「あの人と働きたい」と思うような人。
リーダーは選べないものを選ぶ必要に迫られる。
第三者のアドバイスを求める。
ダボス会議での問題
聴衆が見ているのはスピーチの内容や発言内容ではなく、トップリーダーの「人物」である。
「信念」「覚悟」「決断力」「説得力」「思想」「ビジョン」「志」「使命感」「人柄」「人間性」
言葉によるメッセージは2割。
心理学の分野では人間同士のコミュニケーションにおいて「言語的メッセージ」として伝わるのは一割以下。
社会貢献家としての人格で壇上に立つビル・ゲイツ
ダボス会議でのビル・ゲイツはビル&メリンダ・ゲイツ財団のトップであり、世界最大の基金を誇る社会貢献家である。
マイクロソフトのビル・ゲイツも、フィランソロピーであるビル・ゲイツもどちらも同じ人物であるが、別人格である。
スピーチにおいては、「複数の人格」を意識的に使い分ける技術が重要。
一瞬で場を制したサルコジ・フランス大統領
「胆力」で場を呑んでかかる。
冷ややかな反応に対し、聴衆に対し挑戦的に語り、自分が意図する反応を引き出す。
究極「聴衆の質」が話者を育てる。
聴衆の不評を買ったメドベージェフ・ロシア大統領
世界のトップリーダーの話術において重要なことの一つは「位取り」
メドベーシェフ大統領は2011年のダボス会議で、「一国のリーダー」として語ってしまい、位取りの戦略で失敗した。
一国のリーダーではなく、世界のリーダーとして語ることが求められていた。
鮮烈なデビュー戦を飾ったキャメロン・イギリス首相
聴衆との対話で勝負
会場との質疑応答は通常国家リーダーが行わないスタイル
原稿も読まず、聴衆に対して熱く語りかけ、会場の聴衆に向かって質問を求め、次々と当意即妙に答えていった。
質疑応答はもっともリスクがあるスタイル。
これを見事乗り切ったことで高評価を得た。