「1秒!」で財務諸表を読む方法
仕事に使える会計知識が身につく本
小宮一慶 著
短期的な安定性を確認しないと会社が潰れてしまう。
企業はたいていの場合、流動負債を返済できなくなって倒産してしまう。
流動負債とは、1年以内に返済義務のある負債である。
流動負債の能力を見る指標の一つを「流動比率」といい「流動比率=流動資産÷流動負債」である。
もう一つの大切な指標「自己資本比率」(中長期的な安定性)
自己資本比率とは資産をまかなっている資金のうち、返済する必要のな資金の比率。
自己資本比率が高くても短期的に資金不足になると企業は倒産することがある。
自己資本比率=純資産÷資産
短期的にもっとも大切なのは手元流動性
もう一つの安定性の指標、「手元流動性」実は、経営的にはこれが一番大切。
手元流動性=(現預金+すぐに売れる有価証券等)÷月商
損益計算書とは
企業のある期間の「損益」の状況を表したもの。
損益というのは「儲けや損」の事をいう。
一般に「売上げ」という言葉が使うが、会計には「売上高」が正しい用語である。
資産と売上高の関係も大切
重要なことは「売上高の伸び率と資産の伸び率ではどちらが大きいか」である。
正常なのは「売上高の伸び率>資産の伸び率」、逆の場合は、資産運用の効率が落ちているということ。
これを表す指標が資産回転率(=売上高÷資産)
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売上原価は製造原価と違う
売上原価とは損益計算書で損益を計算する際に売上原価となるのは「売れた分の製造原価」だけである。
例えば1年間に「製造した」製品にかかった費用が製造原価である。
作ったけども売れ残っている製品は、貸借対照表のの「棚卸資産」として計上される。
売れなかった製品は費用とならずに資産になっていく。
売上原価率が上がっていないかもポイント。
上がっていれば製造コストや仕入れが上がっているということになる。
売上総利益=売上高-売上原価
営業利益=売上総利益-販売費及び一般管理費
さらにここから営業外損益を調整して経常利益になる。
キャッシュフロー計算書の仕組み
営業キャッシュフロー:通常の営業活動でキャッシュフロー
投資キャッシュフロー:投資への支出、回収
財務キャッシュフロー:資金の過不足調整、株主還元
利益とキャッシュフローは違う
利益が出ていてもキャッシュフローはマイナスという事はあり得る。
固定費とは売上の増減に関係なく発生する費用である。
固定費の大部分を占めているのが原価償却費である。
原価償却費とは、設備投資時に必要とする「資金」をその使用期間に分けて「費用化」していくもの。
変動費とは売上高に応じて増減する費用である。
仕入れた原材料や使用した電力、ガスなどがこれにあたる。