頭がいい人の聞く技術
樋口裕一 著
「聴く」と「聞く」は違う。
「聴く」は一点集中してきくこと。
内容の中心にあたる部分をきくこと。
だが、その中心にあたる「聴いた」情報は、誰がどのように言ったか、どんなニュアンスを込めたかによって、意味や価値が変わってくる。
「聞く」はそのニュアンスの部分。
この「聞く」の部分こそ、相手が言わんとすることの豊かな情報が含まれている。
コミュニケーションを高めるには、日常の中で、「聞く」ことをもっと意識化することが必要になってくる。
視覚も聴覚も、一点に注意を集中して対象をとらえるようとする認識方法と、全体をつかもうとする認識方法の二つが重なり合っている。
聞く力がなければ、コミュニケーション能力がないとみなされる。
「話す」は発信で、「聞く」は受信。
両者は車の両輪のようなものだが、高精度な受信あってこその発信。
うまく聞かなければ、的確な話はできない。
面白く話すことができても、相手の話を聞けない人はいずれ軽視されていく。
環境によって耳は作られる。
「変わりたい」「自分を変えたい」、実は変われない原因は「聞けない」こと。
日本語は、最後まで聞かないと意味が通じない言語である。
文法上のあいまいさが文章に情緒をもたらすこともあるが、コミュニケーションを複雑にしているのも事実。
「聞ける人」と「聞けない人」の一番の大きな違いは、周囲から厚い信頼を寄せられるかどうかにある。
味方を増やす聞き方
相づちをうつ。
聞き役に徹する。
相手を肯定する。
五感を使って聞く。
尊敬の念を示す。
嘘を追及しない。
沈黙を聞く。
敵を知る聞き方
話を構造的に聞く。
キャラクターを分類型に分けて探る。
外部情報を探りながら構造的に聞く。
批判精神を持って聞く。