変化し続ける会社になるために

「これからの世界」で働く君たちへ

山元賢治 著

変化に巻き込まれないための唯一の対策は、その変化を「つくり出す側」に回ること。

変化をつくり出す人が次のビジネスの中心を握る。

ビジョナリーというのは、別に予言者という意味ではなく、好奇心の先に生まれる「問い」を持てる人のこと。

私が接してきたリーダーは皆、この猛烈な好奇心を必ず持っていた。

自分が全身全霊で情熱を注げること、心から向き合え、「もっと良くするにはどうすればいいのか?」という問いを持てることが、すべての変化のエンジンである。

彼らが変化しつづけられる秘密とは何か。

それは彼らに強力な「使命感」(ミッション)があるからである。

グローバルリーダーに共通することに、この強い「当事者意識」がある。

自らが良い変化を起こす担い手であろうという意識である。

私は「人は失敗からしか学ばない」とさえ思っている。

成功からは学びはない。

成功というのは、今持っているスキルで手にしたものだが、失敗とは未来へのスキルの糧となるものなのである。

もうHOWだけでは何も変わらないということに気づくべきである。

自分の頭で考えて、WHYの問いを立てられない限り、何も前進しない。

アイデアは何より実行してはじめて価値を持つものだが、その前に、アイデアもまた自分だけで生み出すものではなく、優秀な他社からその種を引き出すことが重要である。

 

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スティーブ・ジョブズはいつもこう言ってた。

「You should all know already.(みんな知っている)」。

実は誰もが、やりたいことや、やるべきことをすでに知っていると言う。

ビジネスにおけるただひとつの真実は、「変化し続けること」。

この真実は企業においても、個人においても等しく当てはまる。

これからのビジネスの「新しい当たり前」で決定的に重要なことは、「感動」を生み出せるかどうかである。

かつては足りないモノを満たす時代だったが、モノが充足した今、顧客に消費を促すのは単純なモノではない。

高級で高機能な製品が売れるのではなく、「感動」を生む製品に対価を払うようになっている。

これまで問題だと思われなかったことを「問題」として気づくこと。

いわば「問題の発明」ができた企業が、結果として新しい市場をつくることができる。

朝型か夜型かについては、仕事の種類や体質を言い訳にしたくなるかもしないが、これまで多くの人を見てきて、はっきり言えるのは、リーダーに夜型人間はいないということである。