仕事をしたつもり

仕事をしたつもり

海老原嗣生 著

仕事をしたつもり、とは以下の状態を指す。

けっこう一生懸命仕事をしている。

周りもそれを認めていて非難する人はいない。

本人はその行為にまったく疑問を持っていない。

しかし、成果はほとんど出ない。

効率的に仕事をこなし、定時に帰ると評価されない。

資料はたくさん作っておけば大丈夫。

意味をあまり考えずとりあえず形だけやっておこう、といったタイプの「仕事をしたつもり」を「ハコモノ志向」と呼ぶ。

中身を考えずに、形だけにこだわる。

 

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例外を認めるのが面倒くさいという会社、何が正当か考えるのが面倒くさい個人、2つの事情からルールは「大義」に集約され、道理が引っ込む。

本来タクシーで5分の場所に、電車で40分かけて行く。

コピー用紙の裏紙を利用する。本来、再生紙の利用の方がエコである。

「他人がやっているから自分たちもやらねば」、といった横並び意識に則った仕事は、「仕事をしているつもり」に帰結する。

売る側と顧客は対等な関係で良い。

商品やサービスを提供する側が過度な顧客の要求に屈し、媚びたり過剰サービスを行ったりすることは「仕事をしたつもり」につながる。

「仕事をしたつもり」から抜け出せない理由

・代わりに何をすればよいかわからない。

・一度群れと離れた行動をとると、無理解な目線が向けられる。

・本物を求める人は最終的に孤独とならざるを得ない。

・「仕事をしたつもり」の方が楽で得である。

 

「よく考えない」事により、人生の時間と労力は大量に費やされることになる。

保身を続けることで、本当の意味での成功や評価とは縁遠い人間になり、「人材市場価値」を失う。

「仕事をしたつもり」から抜け出すには、まず「仕事をしたつもり」を半分にする。

残りの半分は「仕事をしたフリ」をすれば良い。残りの半分の時間を真剣に考えることに費やすことである。